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ひざに水がたまる、とは

コラム:ひざの痛みをとる方法
「ひざに水がたまる、とは」


ひざのなかでの戦争状態のひとつとして「水がたまる」(これは専門的には水腫といいます)という症状があらわれてくることがあります。

ひざの関節には通常、全部合わせても1ccに満たない関節液しかありません。関節液というのは無色透明で、少し糸を引くような粘り気のあるいろいろな役目をもった液体です。関節液は滑膜でつくられ、関節がスムーズに動くようにしたり、軟骨に栄養を与えたりしています。

関節の表面をおおっている一種の潤滑油のようなものです。

変形性ひざ関節症により生じる軟骨がすり減った摩耗物質は、関節内でカスのような異物になります。このカスが滑膜を刺激し、炎症を引き起こし、関節液の分泌を促進してしまうのです。

そのため関節液が30〜50ccぐらいたまることがあります。水腫自体は痛みの原因にはなりませんが、その量によってはひざが張るような重くだるい感じを引き起こします。

水がある程度たまると、ひざのおさら(膝蓋骨)の上が腫れてでっぱってくるようになります。また、ひざの後ろもふくらんできます。

これは、ひざの関節にはもともと関節のふくろ(関節包)で囲まれたすき間(これを関節腔といいます)があり、ふだんはそのすき間はぺしゃんこになっていますが、水がでてくるとそれに応じてふくれてくるからです。

患者さんはよく「鏡でみると、ひざのおさらの上のあたりがふくらんでいる」といわれます。

ただし水が一度もたまらないという変形性ひざ関節症の人もいます。これはおそらく変形性ひざ関節症にもいろいろちがったタイプがあるためだろうと考えられています。

また、「水がたまっています」というと、なにかたいへんな症状が起きたように心配する人や、あるいは「水はたまっていません」というと、ホッとされる人がいます。

このように、水腫という症状は、変形性ひざ関節症のなにか悪い症状や不吉な症状のように思われる人が一般には多いような気がします。

しかし医学的には、水腫があるから悪い、あるいは水腫がないから安心だというようなことはいえません。あくまでもひざが炎症を起こしているひとつの症状にすぎないのです。

それはちょうど、カゼをひいたとき鼻の奥に炎症が起こると鼻水がでたり、のどや鼻に炎症が起こるとタンがでるのと同じことです。鼻水がでないカゼだから安心とはいえないでしょう。

参考になさってください。

なお、自分が変形性ひざ関節症ではないか?と思ったら、専門の病院で診察を受けること、そして急性期の痛みがおちついたら、それ以上悪くならないようにコントロールすることです。セルフコントロールの方法として代表的なものはヒアルロン酸の活用です。

関節痛や変形性ひざ関節症にお悩みの方はヒアルロン酸サプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。

ヒアルロン酸の飲み方として、同じく軟骨を形成する成分であるグルコサミンや、その形成を助けるコンドロイチンと同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら3つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてください。

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