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注射は一時的な効きめしかない

コラム:ひざの痛みをとる方法
「注射は一時的な効きめしかない」


つぎに注射についてお話しします。

変形性ひざ関節症に、よく注射をする医師がいます。注射する薬は、ひと昔前は副腎皮質ホルモン(ステロイド薬)という強力な抗炎症薬でした。これは、現在ではほとんど用いられなくなりました。

それは、ステロイド薬がひじように副作用が強い薬だからです。たしかに効きめは強力で、一時的には症状が軽くなってよいのですが、長期的には全身や関節にさまざまな副作用をもたらします。

炎症を抑える力があまりにも強くて、軟骨の組織自体も弱らせてしまいます。骨も弱らせ、骨粗しょう症の原因になることもあります。患者さんは痛みがすみやかにとれるので喜びますが、結局は患者さんの将来のためにはなりません。

また、原因治療でもありません。一回注射したら一回ぶんよくなるわけではないのです。

ただし、これは変形性ひざ関節症に関してのことです。慢性関節リウマチなどで、炎症を抑えきれないようなときには、やむなくステロイド薬を関節注入します。

変形性ひざ関節症の治療には、現在は「軟骨保護薬」(ヒアルロン酸)といわれる薬がよく注射薬として用いられます。これはたしかに変形性ひざ関節症の痛みに対してはある程度の効果はあり、またステロイド薬のような強い副作用はいまのところでていません。

しかし、その効果は一時的なものであり、1、2週間に1回注射をうちつづけなければなりません。何回注射をうっても軟骨がまた再生してくるわけではありません。何度も何度も注射をうつことは、感染(細菌がからだに入る)という危険性もあります。

また、軟骨保護薬の注射と同じくらい、いやそれ以上の効果が別のもっと生産的な方法(運動療法)であげられるのですから、この注射もすすめられません。

参考になさってください。

なお、自分が変形性ひざ関節症ではないか?と思ったら、専門の病院で診察を受けること、そして急性期の痛みがおちついたら、それ以上悪くならないようにコントロールすることです。セルフコントロールの方法として代表的なものはヒアルロン酸の活用です。

関節痛や変形性ひざ関節症にお悩みの方はヒアルロン酸サプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。

ヒアルロン酸の飲み方として、同じく軟骨を形成する成分であるグルコサミンや、その形成を助けるコンドロイチンと同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら3つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてください。

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