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変形性ひざ関節症のチェックリスト

コラム:ひざ痛を治そう!
「変形性ひざ関節症のチェックリスト」


いよいよ、「ひざ痛を自分で治す運動」についてです。

ヒアルロン酸やコンドロイチンなどの軟骨成分を摂取することに加えて、具体的な運動に入る前に、ここでもう一度、自分のひざの痛みの状態を確認、整理してみてください。

変形性膝関節症の痛みには運動療法が有効です。ただ、ひざが痛いからといって、闇雲に運動をしても、かえって悪化させてしまう場合も少なくありません。

わかりやすい例を紹介しましょう。

変形性膝関節症の一つに「膝蓋大腿関節症」があります。膝蓋大腿関節症は、ひざのお皿の裏の関節軟骨がすりへったり、お皿が脱臼したりする病気です。ひざを深く曲げるような動作をしたときに、ひざの前面や周囲が痛くなります。

これは、ひざを曲げたときに大腿四頭筋(主に大腿直筋)が収縮するため、ひざのお皿の骨が大腿骨に強く押しつけられるからです。

ある患者さんの場合(40代・女性)、特に階段を下りるときや、しゃがんだりするときに激しい痛みが走るといいます。

最初に診てもらった整形外科で「周囲の筋肉を鍛えなさい」といわれたこの方は、スクワットやもも上げ運動などで足の筋トレを一生懸命に続けました。

ところが、ひざの状態はいっこうによくなりません。それどころか、痛みはさらにひどくなり、3ヵ月もたつと、階段どころか、平らなところを歩くことさえつらくなってきてしまったのです。

運動によって、確かに筋肉は強化されてきたはずなのに、どうしてでしょう?

理由は運動の方法にあります。スクワットやもも上げ運動は、大腿四頭筋を鍛える運動としては非常に効果的ですが、この方のひざ痛には、これが逆効果に作用してしまったのです。

ひざの曲げ仲ばしをコントロールしているのは、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)の中の大腿直筋です。大腿直筋はひざのお皿(膝蓋骨)と股関節とを結ぶ唯一の筋肉であり、この筋肉が伸び縮みすることによって、お皿が動き、ひざの屈伸もスムーズにできるのです。

この方のひざの痛みは、もともとこの大腿直筋が強すぎるために、お皿の骨が上方に強く引っ張られて大腿骨に当たってしまうことから起きていました。

にもかかわらず、ひざを構成する筋肉を鍛えればと、よりによって大腿直筋を鍛えてしまいました。いわば、障害の原因をさらに助長してしまったのです。治るどころか、痛みがさらにひどくなったのは自明の理というしかありません。

ちなみに、この方のひざ痛は、後述する「ひざの8の字ゆらし」などを続けることで、今ではすっかり改善しています。

「ひざの8の字ゆらし」は、ひざの靫帯を柔軟にして、その動きをよくします。このように、ひざ痛は、痛みの正体を見極め、それに即した対応をすることこそ、改善への近道なのです。

特に、いつ、どんな動作をしたときに、どのように痛むのか。それを正確に把握しておくのは、運動療法を行ううえで非常に大切です。ひざの痛みのメカニズムは意外に単純で、痛いところが変形(変性)しています。ですから、特定の生活動作を行うときに痛みが走ることが多いのです。

また、あなたのひざの痛みは変形性膝関節症以外の病気によるものかもしれません。たとえば、化膿性・細菌性(結核や淋病など)による痛みや水腫、あるいは骨頭壊死などは、整形外科を受診し、治療を受けることが先決です。こうしたことを確認する意味でも、事前のチェックは必要です。

[変形性膝関節症のチェツクリスト]

□男性なら50歳以上、女性なら40歳以上である。
□肥満気味である。
□靴の後ろの外側がへる。
□お尻を後ろに突き出し、背中を丸めて歩いている。
□歩行時に体が左右に揺れているような感覚がある。
□ひざが腫れぼったく、水がたまっているような気がする。
□左右の足の長さが違うような気がする。
ロガニ股で歩いていると、よくいわれる。
□太ももの前側の筋肉が落ちてきた。
□ひざのケガをしたことがある。
□ひざの曲げ伸ばしが完全にできない。
□ひざの曲げ伸ばしをするときにだるさや、軽い痛みを感じる。
□O脚やX脚といわれたことがある。
□太ももの外側につっぱり感がある。
□体重をひざにかけたときに痛い。
□歩行中、ひざがガクガクすることがある。
□太もも前面の筋肉がつっぱって、正座がしにくい。
□ひざを動かすたびにキューとかグキグキ、またはポキポキという音がする。
口鼠径部(太もものつけ根)の前面が痛むことがある。
□寝ているときはなんでもないのに、起きて動き始めるとひざが痛みだす。
□足首を動かすと痛みやポキポキという音がする。
ロケガをしたわけではないのにひざの内側が痛んだり熱っぽくなったりする。
□階段の上り下りがつらい。
ロタコやウオノメが足の第1指と第2指の間にある。
□外反母趾がみられる。
□ひざが後方に反っているような感覚がある。

変形性膝関節症の前兆は、日常の何気ない生活動作の中に現れてきます。チェックリストの中で思い当たる項目が3つ以上あるようなら、変形性膝関節症がひそんでいる可能性は高いと考えられます。

症状が軽いうちに運動療法で予防することをお勧めします。

参考にしてみてください。

なお、ひざ痛が気になる方に愛用されているのがヒアルロン酸です。ヒアルロン酸とは、ムコ多糖類の代表的な成分ですが、その大きな特徴は1gで6リットルの水を保持できるという、その保水性です。最近、美容や関節サプリメントの主成分としてヒアルロン酸が注目されていますが、これは主にこの能力によるものです。

ヒアルロン酸はその保水能力により、関節の中で、軟骨の持つクッションの役割を補完・代替してくれることから、関節系のサプリメントの主要成分として重宝されている、というわけです。関節痛や変形性ひざ関節症にお悩みの方はヒアルロン酸サプリメントも活用してみてはいかがでしょうか。

ちなみにヒアルロン酸の飲み方として、同じく軟骨を形成する成分であるグルコサミンや、その形成を助けるコンドロイチンと同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら3つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてください。

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